隠岐（おき）の島に考えを変えさせられた話

明日暇だな、旅行するか

2025年9月30日深夜

明日明後日の予定もなく、非常に暇をしていた。

そうだ、旅行いこう。ということで、面白いところに行きたい。海行きたいから離島に行こう。

25歳以下の当日予約が安くなるJALスカイメイトで行ける離島を探すと隠岐があった。大阪の伊丹空港から一本で行ける手軽さが魅力的であった。

他の選択肢として、古宇利島と屋久島があったが、1泊2日で行ける日程を考慮すると、屋久島の屋久杉が到達までの時間的に無理だし、お金も結構かかるそうで断念。古宇利島は闘牛が見られるということでワクテカしていたけど、行く日にはやっていないことがわかったので断念した。

料金はスカイメイト割引で往復1万ちょいとかなり安く行くことができる。普通に行くと3万ほどかかるらしいから非常にありがたい。搭乗時間は45分ほどで、15時に到着する便に乗った。ターミナルの端の端にある見たことないくらい小さな飛行機であった。離島なのに空港があるんだね。

隠岐について

今回私が訪れた隠岐という島について軽く説明をすると、島根県の北、日本海にぽつんと浮かぶ４つの島の総称で「島後（どうご）」と「島前（どうぜん）三島」からなる群島です。隠岐っていう名前の島ではないんだね～

面積はそれほど大きくなく、車で島後をぐるっと回っても半日あれば一通り巡れるくらいのサイズで非日常を満喫するにはいいサイズ。（一日じゃ周れないくらい見どころ多かったけど）
今回は飛行機で行ったけど、フェリーの場合は境港や七類港からの便があって、離島に行く感を味わえるからいいよね。ワクワクするね！！

見どころとして、島内には隠岐を象徴する絶景が点在しています。高さ約257mの断崖が海へ落ち込む「国賀海岸」や、海にぽつんと浮かぶ巨岩をバックに夕陽が沈む「ローソク島」、さらに千本もの杉が生えるパワースポット「壇鏡の滝」など、自然の迫力を肌で感じられる場所ばかり。島前には世界ジオパークに認定された独特の地形があり、どの島どのスポットも綺麗だよ。

以上、ChatGPTによる隠岐の説明でした。

私は上記観光名所のどこも行けていないし、この先の記事にこれらの観光地は出てきませんが観光地に行かずとも楽しめる隠岐（島後）の旅行記を引き続きお楽しみください！！

隠岐、着陸！！

午後3時、隠岐世界ジオパーク空港というネーミングセンスが抜群に冴え渡っている空港を抜け、バスで市街地(西郷港)に向かった。バスで10分ほどで西郷港に到着した。西郷港近くの宿でチェックインを済ませ、自転車を借りに観光案内所へ向かった。

e-bikeっていう電動のマウンテンバイクみたいな、いかちいチャリとかもあったけど、時間の都合と明日雨降るらしいということで、電動自転車（ママチャリ）を借りた。非常に残念なことに自転車が16時半までしか借りることができないと言われて、来て早々に1時間のタイムアタックを強いられた。

隠岐で観光しようとGPTと計画していた予定が全て崩れ去った。

仕方なく、自転車でぎりぎり行ける圏内の海に行こうと思い、塩浜海水浴場というところに向かった(片道約7kmなので自転車なら40分あればつく距離)。

道中は島独特のアップダウンがあったり、田舎感全開の景色が見られて、しまなみ海道を思い出した。島の坂道はやはり急で、電動自転車でも辛く、サイクルバイクやママチャリじゃゃなくて本当に良かったなと感じた。

その反面、下りははちゃめちゃに楽しかった。後述するかわからんが、島って地球の海面の高さで凸凹がたまたま地表に顔を出して島となっているだけで、小さな山の先っちょってイメージなんだって思い知らされた。

強いていうとすれば、道路の舗装がしまなみほどよくはなく、途中の道路の段差を超えた衝撃で普通にペットボトルとか飛んでいった。トンネルを抜ける瞬間があったのだが、暗いしトンネルの先の光がすごく遠くてゾクゾクしちゃった。

当然人も少ないので、ルンルンで歌いながら島をすすんでいった。皆さんも海用のプレイリストは作っておこう。

10月に海水浴はするもんじゃない

自転車で30分ほど進んで、海水浴場についた。塩浜海岸は天気が悪いし風もあったからか、海も濁っているし砂浜もいろいろと打ち上げられていて、そこまで綺麗じゃなかった。

人も誰もいないし、気温低くて少し寒いけどやっぱ島に来たからには泳ぐかってことで、誰もいないし、そもそも更衣室が空いていないから屋外で水着に着替えた。無事に誰にも見られずに着替えられましたよー

すごく寒いな。なんかほんの少し雨降ってるし、10月だからか水着一枚では肌寒かった。風も強かった。とりあえず、海に入ってはみたけど、まあ海だなって感じだった。特段語ることがないくらい普通の海だった。普段太平洋側の海しか訪れない私にとっては日本海側の海での海水浴は初めてである（実績解除）。

海の中はサンゴはないけど海藻は生えてた。

堤防があったので、誰しも人生で一度はやりたいこと「堤防からのジャンプ！」をするために、一旦ゴーグルを取りに戻り、冷たい風と小雨が降る中少し歩いてまた堤防に戻り、ジャンプした。

感想はというと、「うん。こんなもんだよな」って思いはあった。でも、堤防からの砂浜まで20mほどあり、その距離は絶対足をつけられずに、泳がないといけないというスリルは非常に心地よかった。ほんのわずかだけど小さな魚もいたし、島の思い出としてはよいだろう。

ビーチでいつも通り、波に打たれながら、砂浜に打ちあがる遊びを一人で楽しんでいた。海はやっぱりいい。波は少しでも自然の脅威、人間の無力さを私に提供してくれる。地球の神秘、月の満ち引きに感謝しつつ海から上がった。

海水を持参の水で軽く流して、服を着た。話変わるけど海水とか砂とかが長時間体に付着しているのはよくないらしいよ。しっかりときれいな水や水道水で体を洗い流そう！！

準備絵を整えて自転車に乗ったら、返却締め切りの30分前だった。30分で7㎞はなっかなかにきつい。アップダウンとか込みだからなかなかに常に全力で漕いだ。途中の大きな下り坂で、全力ダッシュしたら、瞬間的に時速38km出たのはいい思い出である、風になってた。その後も時速20kmは下回らないようにハイになりながらこぎ続けた結果、無事時間内に西郷港に到着して返却した。

一旦宿に戻り、海水で汚れたため、シャワー浴びて、夕飯を探した。

宿の人が言うに「八百杉」というお寿司屋さんが観光客に人気でYoutubeで取り上げられるほど美味しいらしいのでそこに電話し、たっけえなと思いつつ4000円のコースを予約した。一人旅の中ではかなり奮発したほうだと思う。たっけえけど。

デスクワークを軽く片付けつつ、18時半の予約までの時間を潰した。今回、私が泊まった「ホテルここ」は西郷港からも非常に近く、宿代も当日に予約したのにもかかわらず7000円ほどで、近くにドラックストアがある非常に便利なホテルだった。客室内はアパホテルみたいなもんで、従業員さんも新設に情報提供や傘を貸してくれた。離島でこのクオリティはすごいと感じた。

予約の時間近づいてきたので、宿を出た。

予約した料亭「八百杉」は西郷港から少し歩いたところにある。雨が降る中、少ない外灯を目印に歩いていると野良猫ちゃんがいた。

他にも神社もあって、この隠岐の島町ってところは結構発展しているんだなと感じた。居酒屋の数も尋常じゃなく、娯楽は充実していた。大体のお店が17時で閉まる伊豆大島も少しは見習ってほしい。

そんなこんなで到着した。

これが！！料亭の味！

事前にコースは注文しておいたので、飲み物だけ注文した。普段お酒は飲まないけど、なんかの流れで日本酒「隠岐誉」を頼んだ。

正直、日本酒の味はわからないんだけど、キレは少なくすっと通る飲みやすい部類の日本酒だった。

この日本酒と一緒に味わうのが、刺身これを待ってたです！！！

9種類の魚介の刺身、つぶ貝とかサザエとかタコとか、ブリとかそんなのがきた。語彙力なくてすいません。

隠岐はサザエが有名らしく、サザエ丼とかサザエカレーとかがあるらしいのだが、美食の経験に乏しい私が食べた感想は、

タコの酢味噌のやつと白身魚の刺身がおいしかった。どれも、2切以上あって満足度は非常に高かったよ。

続いて串揚げも来た。もう何お店かわからなくなってきたけど、数種類の塩とソースで味変しながらたべるとすごくおいしいし楽しかった。ホタテの串が美味しかった。

そして寿司も来た。

寿司は本当に美味しかったよ。お寿司屋で出される少しいいお寿司って感じだった。

で適当にゆずシャーベットが来てお食事終了。

翌日の天気は変わらず雨でした。

宿に戻ったら、先ほどの海水浴で身も心も冷え切ったため、就寝した。

翌日は9時に起きた。すごい雨音で目を覚ました。

町内放送で、朝の出雲行きの飛行機が飛ばなくなったらしい。自分が乗る便はとぶかなと心配しつつ、リゾートバカンス気分で半袖短パンしか持ってきていないので、近くのドラックストアで傘を買い、飛行機が飛ぶまで、やることがないことが確定したので、西郷港観光案内所の上にある隠岐ジオゲートウェイという展示館に向かった。

浅薄で旅行していた自分が恥ずかしい

隠岐ジオゲートウェイは、隠岐の島々の凄さを感じることができる文化館で、入場料は500円、ガイドツアーも参加費500円で楽しむことが出来る。

（隠岐自然館：https://www.oki-geopark.jp/museum/）

ガイドツアーなんだが、無知な私と無駄にアウトドアの格好をしたカップルの合計3人が参加し、隠岐島の成り立ちや生態系、文化を教えてくれた。

地学を勉強していないため隠岐で発見される岩石のことは全く理解できないし、パンゲア大陸から分離した話とかは昔すぎて想像できない。壮大なスケールであったことはわかった。

理解できた部分を述べると、まず隠岐（4つの島々）は海水面の高さによっては日本本土とつながっている時期があった。本土との間の海水の水深はたかだか80mしかないそうだ。水深80ｍ、って聞くと日本海とかの1000mとかの水深に比べたら浅瀬だよね。

その後も、地球の温度変化によって、陸続きになったり、島になったりを繰り返して今は島の状態になっているとのこと。それで、最後に隠岐が島になったのが大体1万年前らしい。

この島の固有種は本土の在来種とは異なる特徴は持っているのだけど、生物の進化の観点からみて、クッソ短い1万年分の進化にほかならないって話を聞いた。たった一万年の進化で変化していくかを測れるのすごく貴重だと思う。

ガイドツアーに一緒に参加した隣のカップル達は、研究者でもないのに隠岐の島後の固有種のカエルを昨日一日中捜索していたらしい。

なんだよそれ、めちゃくちゃ充実してるじゃんか

島の植生とか何も考えずに海が綺麗な離島行きたいから来た私と違って、ここに来る理由が明確にあって、フィールドワークのために訪れて、知識をくる前に身につけている彼らに強い憧れを感じた。

島後（隠岐の空港とかある一番大きな島）の固有種で一番大きな生き物が「オキウサギ」で、このウサギ以外存在が確認されていないんだけど、その理由も推測で教えてくれて面白かった。隠岐は上質な黒曜石が取れる場所として、縄文時代とかから栄えており、当然島に流れ着いた人たちがを島の中で生活するんだけど、当然おなか減るじゃん？

在来の猪とかでっけえ動物たちは、囲い込んで全部取りつくされたのでは？とか言ってた。ウサギとかの小型の生き物は穴を掘るから、たまたま狩りつくされずに生き延びたのでは？という考察は現存の生き物と人類の歴史を知ることで仮説を立てており、全てが繋がってるように感じて非常に面白かった。

あと隠岐島の歴史として、島流しというのがある。

後醍醐天皇とか後鳥羽上皇とかの偉い人を隠岐に流したんだけど、なんで隠岐かって言うと、大きく二つの理由が考えられていて、

一つ目は、京都からみて北西に位置するので、占い上すんごい良い位置だったから。昔の人って怨念とかを本当に恐れていて、偉い人って神様に近しいから京の都からは追い出したい、けど祟られたくないってことで隠岐が地理的に良かった。

二つ目が環境面で、隠岐の鮑あわびって昔ははちゃめちゃなご馳走で、官民のボーナスとして隠岐の最高級鮑が支給されるほどだったとか。神に近しいほど高貴な方が島流しされた後も、人々を恨まずに穏やかに余生を過ごしていけるくらいの環境が整っていたのが隠岐だった。

それで、後鳥羽上皇とかを盛り上げるために、祭りやったり、ここでも闘牛をやってたりしたんだって。闘牛ってそんな背景があったんだね。あと隠岐牛はA5ランクらしい？すごいいいお肉だね。

このお話を聞く前は、島流しって実質死刑だと思っていた節があったが、昔の人々が恨みつらみを恐れていた背景などを踏まえると考え方が大きく変わった。信じるものとか考え方って時代によって変わるんだね。

ガイドさんの説明を聞いて、まじで、何も知らずに隠岐に来たことを後悔した。

何より島後しかいけておらず、他の3島の自然価値が非常に高いことを学んだので、ぜひ一週間ほどかけて、事前に学習をして行きたいと感じた。また絶対に行く！

昼は隠岐そばっていうボソボソした短い蕎麦を食べた。十割そばを初めて食べたが、ぼそぼそしていた。つるつる感を味わいたかった。

飛行機まで時間があったから玉若酢命神社というところに行った。

ちなみに隠岐は黒曜石の採掘場所として、スーパー大事にされてきたらしく、島内の至る所神社がありに出雲大社レベルのクソ強神社が4つくらいあるらしい。

信仰も古典的に木を祀ったりと自然の崇拝していたのも特徴らしい。奥深すぎる。

雨の中、西郷港から片道3kmほど歩くのは島特有のアップダウンも重なり、しんどかったけど楽しめた。

玉若酢命神社に到着し、八百杉っていう昨日行った食事所の名前の由来となる樹齢1000年ほどの杉の木を見た。屋久島ほどではないんだろうけど、長寿を感じさせる太さをしていた。

んでかえった。お土産は良いのなかった。離島だからしょうがないね。

大雨の中でも、無事飛行機は飛んで帰ることが出来た。

私の1泊2日の弾丸隠岐旅行は幕を閉じた。

行ってみての感想

レンタカーがあれば、晴れていれば、時間がもっとあれば、と悔やまれる箇所は数多く存在するが、楽しかった。

今回は、あいにくローソク島や、壇鏡の滝といったいわゆるの観光名所を全く周ることが出来なかった。レンタカーや晴れていれば電動自転車で向かうことはできたはず。

また、一番大きい島後だけげなく、他の3つの島のほうがジオパークとしての地層は優れている箇所が散見されるらしいのでそこに行くことが出来なかったところも非常に悔やまれる。

反省は以上として、

楽しかった点をあげると、大阪から飛行機で1時間以内にいける離島の非日常感が良かった。

都会の喧騒を忘れさせるのどかな景色や街の様子は離島ならではである。

あとは、地層や事前に観光地のことをすることの大切さを学ぶことが出来た。

別に隠岐に限った話ではないが、その土地の特産や地形、文化を事前に目に通したうえで刊行することで、その土地のことをより深く知ることが出来楽しさも倍増する。そのことを知れた点で、隠岐の観光、ジオパークの観光が出来て本当に良かったと思う。

観光地というと、どうしても海やレジャー施設などに目を奪われがちだが、その土地の文化を勉強する、楽しむために少し努力が必要なもの、勉強が必要なものにも価値があることを学んだ。

堅苦しくなったけど、隠岐観光は雨で島を存分に楽しめなかったなりにいろいろと考えさせられる旅となった。